展示レポート「桜の頃に」

立て続けに展示に参加していると、展示レポートを書いたかどうかわからなくなってきてだんだん遅くなってしまいますね。って誰に向かっていっているのでしょうかw
と言うことで、お越しいただいた皆さん、一緒に展示された皆さん、ありがとうございました。

改めて、今回の展示の趣旨を・・・。

2021年春に、大切な写真仲間であった石川省吾さんが天国へ旅立ちました。
グループ展や公募展などでご一緒し、彼の優しい人柄や写真への情熱に刺激を受け尊敬しておりました。
彼の数々の作品は私たちの心に深く刻まれています。
石川さんを偲んで、グループ写真展を開催いたします。
暖かな春の日に、私たちの写真を楽しんで頂ければと思います。
(「桜の頃に」告知サイトより)

正直、初めは写真のセレクトには困らないと思っていました。
今まで、いろんな写真のイベントで石川さんにお会いしたときの写真はいくらでもあるし、その中から思い入れのある写真を選べばいいと思っていました。
そろそろ、展示する写真を決めないといけなくなった時期に、急に迷いが生じました。

今回の展示は、フォトカノンという写真屋さんの店内での展示になります。
そのため、写真展をご覧になる方はいろんな方がいらっしゃって、おそらくほとんどの方は石川さんのことをご存知ない方々でしょう。
展示のコンセプトに関しては、ステートメントを読んでいただければ、わかってもらえると思いますが、全員読むとは限らないし、例え読んだとしても、どんなに出展者にとって想いが詰まった写真でも、知らない人に関連する思い出の写真に対して興味を持ってもらえるのだろうか? 知らない人のことを想ってくれるような写真を出せるのだろうか?
そんなことを考えたら写真をセレクトできなくなってしまいました。
しかし、もう後には引けず。
なんとか捻り出した答えが、石川さんの作品のトリビュートを撮ろう、と。
パクリではなく、トリビュート。または、オマージュ。
撮ることで、石川さんのそのときの想いを感じることができるのではないか。その想いに近づけるのではないか、と。
かつて拝見した作品の中から、インパクトの強かった「おいしい牛乳プロジェクト」を選んでみました。石川さんはこのテーマで2回展示されていました。
「おいしい牛乳プロジェクト」とは、おいしい牛乳を女の子が持っているポートレート。
普段、石川さんは女の子のポートレートはあまり撮っていなかったので、まずそこが意外だったのですが、よりによって「おいしい牛乳」。
拝見したときは、「一体、なんなんだ?」と困惑したことを覚えています。「なんで、おいしい牛乳なの?」と聞いたのですが、結局、ちゃんと教えてもらえないままでした。
なので、今度は自分で撮ってみようと。
もちろん、会場に来られる方は元々の石川さんの「おいしい牛乳プロジェクト」を知らない方のほうが多いと思います。
むしろ、知らないほうが、自分が初めて「おいしい牛乳プロジェクト」を観たときの「なんなのだ?」と言う困惑を追体験してしてもらえるのではないか?と。
もちろん、覚えていた方にはニンマリしていただければ、と。
自分の想いを伝えると言うアプローチではなく、「体験してもらう」と言うアプローチで行ってみようと思った次第です。
会場には、石川さんが作成された「おいしい牛乳プロジェクト」のZINを置いてもらえていたので、気づいた人もいるかもしれません(助かったw)
で、展示した写真はこちら。

モデルは、黒猫暦さんにお願いしました。
黒猫暦さんとは先日の漫画脳展にお会いして、今回の撮影につながりました。
初めての撮影だったのですが、この「おいしい牛乳プロジェクト」を楽しんでいただけて、お互いかなりノリノリでの撮影でした。
他にも面白い写真があるのですが、顔が見えないところが今回の展示に合っているかな、と思い、この写真をセレクトしました。
なかなかインパクトのある作品をぶっこめたと思っていますw
ちなみに、この撮影は、作品搬入の1週間前に撮影。よく間に合った!
そして、よくわからないテーマにお付き合いいただいた黒猫暦さんに感謝!

えっ?、それで撮ってみて、何かわかったのかって?
まぁ、おいしい牛乳一つでいつもの撮影とは違った楽しさを感じることができました。
ってことを石川さんも想っておられたのかな、と納得していますw

展示は、こんな感じでした。

まぁ、通常の額装です。
写真自体がインパクトがあるので、額装はノーマルにw

なんだか不思議な写真を展示してしまいましたが、自分なりの石川さんへのリスペクトを示すことができたのかな、と思っています。

【桜の頃に】
・会場:フォトカノン戸越銀座展(戸越銀座)
・期間:2022/3/4(金)〜16(水)

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